被相続人の死亡⇒相続の開始
相続が開始されるときはいつになるのかを、まずご説明します。
それは、被相続人の方が死亡した日です。
命日というと、肉親を亡くした悲しみでいっぱいですから、相続のことを考え出すのは不謹慎に見えるかもしれません。しかし相続手続きには期限がありますから、ただ悲嘆にくれてばかりもいられません。落ち着きを早めに取り戻して、手続きをてきぱきと済ませて行くほうが正解なのです。
それでは相続をする立場になったときに、まずどんなことに気をつけたらいいのかを見ていきましょう。
遺言書
遺言を残している方と残していない方がいますが、相続手続きをはじめる前に、遺言書がつくられているかどうかを確認しないといけません。
遺言書にも種類があります。
1.自筆遺言
遺言が出てきたら、すぐに中身を見たくなるのが自然な反応でしょう。
実は、自筆の場合だったらそれは厳禁です。
自筆遺言は家庭裁判所に提出して中身を確認してもらう必要があります。 (これは、遺言を改ざんされる恐れを断つための、国からの配慮です)
万一、自筆の遺言書を開封してしまったら?
それだけでその遺言が無効になることはありませんが、開封すると5万円以下の罰金を払うことになります。
家庭裁判所で準備が整ったら検認の連絡が届きます。
その日に遺言の内容を確認したら、以降はその内容に従って相続手続きを進めることになります。
2.公正証書遺言
公正証書遺言は、家庭裁判所に持っていく必要はありません。
遺言執行者が指定されていればその人が手続きを進めていくことになります。
そうでなければ、法律の有資格者に依頼するなり相続人の代表者を決めるなりして、手続きを進めていくことになります。
相続手続きの期限とは
相続の手続きには期限があるものがありますから、ゆっくりしていると取り返しがつかなくなる恐れもあります。
相続放棄
相続財産には、債務のようなマイナスの財産も含まれます。
銀行からの借入金や住宅ローンなどが該当しますが、これらの債務の合計が預金や土地・建物などのプラスの財産より多い場合は、相続することで金銭的にマイナスになります。
これを避けるために、預金や土地・建物のすべてのプラスの財産を相続しないかわりにマイナスの借入金やローンも相続しないことができるのです。
この手続きを「相続放棄」といいます。
ただし、死亡日から3ヶ月以内に家庭裁判所に「相続放棄」の申立てをしなければ認められません。
限定承認
相続放棄では、いっさいの財産の相続を放棄することになりますが、借金等の、相続したくない財産のほうが多くても、建物や土地のような、どうしても相続したい財産がある場合もあります。
そんなときにこの限定承認の手続きをすると、相続したい財産の限度に合わせて相続したくない財産も相続することになります。ただし、その額を超えて負の遺産を背負い込むことはありません。
この限定承認も、相続放棄と同様に死亡日から3ヶ月以内に家庭裁判所で申立をする必要があります。(例外的に、この期間を過ぎても認められることもあります)
所得税(消費税)準確定申告
故人が、翌年に確定申告をする必要がある人だった場合に、相続人が(全員で一致して)代わりに確定申告をすることになります。
主に以下の場合が多いです。
- 個人事業主だった場合
- 不動産所得等の収入がある場合
この申告は、相続がはじまったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に行わないといけません。
相続税
相続税といえば、「かなりの金額をとられる」というイメージが強く広まっています。
しかし、相続税には控除の制度もあります。控除を無事に受けることが大切ですがそれには、相続がはじまったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に税務署に相続税の申告書を提出することが必要です。
相続でわからないことが出てきたとき
以上のように、相続をする立場になったら、速やかにその手続きにとりかかるほうが何かと得をする結果になるわけです。
もっとも、相続をする機会はめったにやってこないものですし、わからないことが多くて当たり前でしょう。
相続をする立場になりそうなときはぜひお気軽に当事務所までご相談ください。
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